前橋市の産婦人科、不妊症治療ならいまいウイメンズクリニック|婦人科

群馬県前橋市東片貝町875

027-221-1000

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婦人科

子宮がん

子宮がんには、「子宮頸がん」および「子宮体がん」の二種類があります。

子宮頸がん

子宮下部にあり、腟とつながっている子宮頸部と呼ばれる部分から発生するがんです。子宮の入り口付近に発生することが多いので、観察や検査が行いやすいため、発見されやすいがんです。
また、早期に発見すれば比較的治療しやすく、良い経過をたどりやすい傾向があります。しかし、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要になります。
子宮頸がんの発生には、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が少なからず関連しています。HPVは、性交渉で感染すると言われているウイルスです。子宮頸がんの患者様の90%以上からHPVが検出されることが知られています。
ただ、HPV感染そのものは稀ではなく、感染しても、多くの場合は無症状のうちにHPVは排除されるようです。HPVが排除されずに感染が持続すると、一部に子宮頸がんの前がん病変や子宮頸がんが発生すると考えられています。また喫煙も、子宮頸がんのリスク因子であることがわかっています。

子宮頸がんの症状

初期には、ほとんど症状がありません。例外的に、性交時にわずかながら出血が見られることもあります。かなり進行した場合でも無症状ということもありますが、不正出血やおりものの異常、下腹部痛などの症状が現れてくる場合もあります。
生理以外の出血を見たような場合には、婦人科で診察を受けましょう。

子宮体がん

子宮体がんは子宮内膜がんとも呼ばれるように、胎児を育てる子宮の内側にある、子宮内膜から発生するがんです。発生の仕方には、タイプ1とタイプ2の2つのタイプがあると言われています。
タイプ1の体がんは子宮内膜増殖症という前がん病変を伴い、徐々にがんが出来てきます。全体の約90%を占め、比較的若い40~50歳代に多いがんです。
タイプ2の体がんは正常子宮内膜から一気にがんができるタイプで、高齢者に多いがんです。罹患率は女性人口10万人に対して約7.5人です。年々増加してきており、日本でも将来は欧米と同じように、頸がんよりも体がんが多くなると考えられています。
子宮体がんは生活習慣の欧米化に伴い、増加しています。不妊症、出産経験の無い方、肥満、糖尿病、高血圧の人は危険群です。女性ホルモン(エストロゲン)が発症に関与しています。エストロゲン(卵胞ホルモン)は子宮内膜を増殖させますが、排卵後、黄体ホルモンが卵巣から分泌され、この増殖を止めています。月経不順や不妊症の場合、排卵回数が少ないため、エストロゲン優位の期間が長く、体がんの危険性は増します。未婚で妊娠出産経験が無い人もエストロゲン優位のライフサイクルとなり、体がんの危険性は高くなります。
肥満者では皮下脂肪の中にあるアロマターゼという酵素が働き、エストロゲンがつくられ、体がんのがん化に関与してきます。
また、更年期障害などのホルモン補充療法では、エストロゲンに黄体ホルモンを併用しないと、がんになる可能性が少し高くなりますので、注意が必要です。

子宮体がんの症状

いちばん多い自覚症状は、不正出血です。
子宮頸がんに比べ、子宮体がんになる年代は比較的高いので、閉経後あるいは更年期での不正出血がある時には、要注意です。
閉経前であっても、月経不順、乳がんを患ったことがあるなどの場合は、やはり注意が必要です。

子宮がん検診

子宮頸がん検診

子宮頸がんは女性特有のがんとしては、乳がんに次いで罹患率が高く、特に20~30代のがんでは第1位となっています。日本では、毎年約10,000人もの女性が新たに子宮頸がんに罹り、約3,000人が子宮頸がんで亡くなっています。大体、1日に約10人の方が亡くなっている計算になります。
しかし、早期に発見すれば、早期の治療により治癒する可能性が大きいので、そのためにはとにかく無症状であっても定期検診を受けることが大切です。
検診では、問診・視診・細胞診を行います。視診では、腟鏡を腟内に挿入して子宮頸部を観察します。細胞診では、ブラシや綿棒などで子宮頸部をそっとこすり、細胞を採取して検査します。痛みはほとんど無く、短い時間で終わります。細胞診で異常が出た場合は、HPV検査(子宮頸がんの原因となる高リスク型のヒト・パピローマウィルス(HPV)への感染を調べる検査)、および組織診がそれぞれ不可欠になります。
※なお、前橋市では、20歳以上の方を対象に子宮頸がん検診を実施しています。毎年、無料で受診できますので、是非ご利用下さい。

子宮体がん検診

日本では、子宮体がんに新たに罹患する人は推定年間毎年11,000人で、約2,000人が子宮体がんで亡くなっています。大体1日に6人の方が亡くなる計算になります。
子宮体がんは、決して治りにくいがんではありません。早期に発見し、病気が子宮にとどまっているうちに治療すれば、80%以上の方で治癒が期待できます。
早期発見のためには、やはり検診が大切です。子宮体がん検診は、経腟超音波検査と細胞診を組み合わせて行います。経腟超音波検査では、子宮内膜の状態に異常が無いかを調べます。細胞診は、細いブラシを子宮内に挿入して子宮内膜の細胞を採取して検査します。細胞診でがんが疑われた場合は、スプーン状の専用器具で子宮内膜の組織を採取して調べる検査(組織診)を行います。

乳がん検診

乳がんは、乳房の乳腺にできる悪性の腫瘍です。近年、乳がんに罹患する女性は非常に増えています。30歳代以降では、死亡率も第1位の疾患です。しかしながら、乳がんは自分で発見できる可能性のあるがんです。
月に一度(生理のある方は、生理終了頃)は、自己触診をしていただき、しこり等の異常を感じた場合は、専門医に診てもらいましょう。
乳がん検診の方法には、視診・触診、超音波検査、マンモグラフィ検診などがあります。以下、それぞれについてご説明いたします。

視診・触診

乳房全体を目で見て(視診)、あるいは手で触れること(触診)によって乳房の形、皮膚、乳頭などに異常は無いか、またしこりなどが出来ていないかを確認します。脇の下や鎖骨上のリンパ節についても調べます。

超音波検査

診察台の上に仰向けになり、乳房に超音波をあてて、乳房内部からの反射波(エコー)を画像化し、乳腺の状態を調べる検査です。乳腺は白く、がんは黒く描出されます。痛みは無く、体への負担はほとんどありません。数ミリの小さなしこりを見つけ、しこりの性状も詳しくわかる検査で、X線検査のような被爆が無いため、妊娠中の検査も安全に行えます。ただし、細かい石灰化(カルシウムの沈着)や性状および範囲は確認できません。石灰化の良・悪性の判別に関しては、マンモグラフィの方が優れています。

マンモグラフィ検査

マンモグラフィは乳がんの早期発見のために、乳房をX線で撮影する乳がん検診機器です。少ない放射線量で、安全に乳がんの検出ができます。近年は、乳がんに罹患する女性が急に増えてきますので、マンモグラフィも併用した乳がん検診を受けていただくのが望ましいところです。他の多くのがんと同様に、早期発見・早期治療をすれば、乳がんも今や治るがんと言えるからです。

マンモグラフィ検査(乳がん検診)について

検査台にのせた乳房を圧迫し、薄く(4~5cm)平らにして撮影するので、多少の痛みを伴う場合があります(個人差があります)。しかし、マンモグラフィ検査中ずっと長く圧迫しているわけではなく、せいぜい数秒から10秒くらいです。
また、マンモグラフィ検査を併せて行った乳がん検診は、視・触診や超音波検査のみの検診に比べ、概ね2~3倍の確率で乳がんの発見が可能になると言われますので、マンモグラフィ検査も受けていただくことをお勧めします。
月経前は乳房が張って若干痛みを感じやすくなる方もおられますので、受診の際、気になる方は医師にご相談ください。

マンモグラフィによる乳がん検診でわかる病気

乳房をはさみながら圧迫して、上下・左右方向から撮影します。
触ってもわからないような早期の小さな乳がんを、白い影や非常に細かい石灰化像として見つけることができます。また、良性腫瘍や、悪性とも良性ともつかないタイプも見つけることが可能です。
※なお、前橋市では40歳以上の方を対象に視診・触診・マンモグラフィ検査併用の乳がん検診を実施しています。毎年、無料で受診できますので、是非ご利用下さい。当院では、視診 ・触診のみ診察させていただきます。マンモグラフィは他施設への受診をお願いしております。

月経異常

月経異常とは

月経異常には、月経痛、月経前緊張症*、月経周期の異常、月経量の異常などがあります。異常・正常の判断は時に難しい場合もありますが、違和感があったり、「変だな」と思ったりしたときは、遠慮無くご相談ください。

*月経前緊張症(PMS)
月経の2週間ないし1週間くらい前から起こり、月経開始とともに減少したり消えたりする、精神的あるいは身体的症状。むくみや頭痛、乳房の痛み、腰痛、食欲不振、倦怠感、抑うつなど、人により様々な症状が見られます。

よくある月経異常

生理不順

月経周期は25日以上38日以内が一般的に正常範囲とされます。毎月きちんと28日や30日型などで来る必要はなく、前月27日目にあり、今月はやや遅れて35日型になったというような場合は、ごく正常です。しかし月経周期が極端に長い(稀発月経)、または短い(頻発月経)ことが継続する場合には、超音波検査や場合によりホルモン検査などの婦人科診察をお勧めします。また妊娠をご希望の方は、当院で一度ご相談いただければと思います。

稀発月経

40~50日ごと程度に月経が来ることを「稀発月経」(月経がたまにしか来ない)と言います。このような状態の多くは月経が始まった日から排卵するまでに長い日数(例えば30日間)を要し、その12日前後に次回の月経が来るタイプ(遅延排卵)がよく見られます。あるいは月経と思っていた出血が、実は排卵が無い出血(無排卵周期)ということもよくあります。排卵障害がある方にこの症状を認める場合がありますので、妊娠をご希望の方は、当院でご相談いただければと思います。

頻発月経

月経あるいは月経様の出血が頻繁にあるような場合も、実は排卵が起こっていないための無排卵性出血のことが少なくありません。出血(生理様出血)と出血の間が2週間くらいしか無く、かつ出血期間が10日とか2週間と長く続く場合は、きちんと排卵が起こっていないと考えられます。卵巣機能低下と頻発月経に関係がある場合がありますので、妊娠をご希望の方は、当院でご相談いただければと思います。

無月経

90日以上月経が来ない場合を無月経と言います。生理不順でも90日以上月経が無い場合は、単なる生理不順ではなく、より注意を要するタイプです。このため無月経の期間が3ヶ月以上続いたら、早めの受診をおすすめします。もちろん妊娠が考えられる場合も同様です。無月経の場合、排卵障害があると考えられますので、妊娠をご希望の方は、当院でご相談いただければと思います。

過長月経と過多月経

月経期間が8日以上続く状態を「過長月経」と言います。原因としては、ホルモンバランスの乱れや子宮の病気が考えられます。
女性ホルモンの分泌に関係する器官(視床下部、脳下垂体、卵巣など)に何らかのトラブルがあって無排卵周期になっていたり、または黄体ホルモンの分泌が不十分なために黄体機能不全になっていたりする可能性があります。
また、出血量が増える、経血にレバー状のかたまりが混じる、月経痛が酷いなどの症状が見られる「過多月経」の場合は、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜炎、子宮がんなどが原因になっていることもあり、注意を要します。

過少月経と過短月経

経血量の極端に少ない状態を「過少月経」、月経が2日以内で終わってしまうような場合を「過短月経」と言います。女性ホルモンの分泌量が少ないなどの理由で、子宮内膜が厚くならないことが原因の場合もあります。月経は来ても排卵の無い無排卵月経になっているケースも少なくありません。

腟炎・外陰炎

腟炎

腟炎とは、様々な細菌や真菌(カビ)などにより、腟に炎症が起きている状態のことです。通常なら、腟内部は常在菌(デーデルライン桿菌)が、他の細菌の増殖を抑制しています。しかし、抗生剤の使用、妊娠、体調変化などにより、その細菌の分布バランスが崩れると、大腸菌やブドウ球菌、カンジダなど、外陰部周辺の常在菌が異常に繁殖して腟炎を引き起こします。また、トリコモナス腟炎のような性感染症による場合や、閉経後の女性ホルモン(エストロゲン)分泌の低下により腟内環境が悪化し、細菌の異常増殖が起こるケース(萎縮性腟炎)もあります。

腟炎の原因

腟炎の原因としては、トリコモナス(トリコモナス原虫)、カンジダ(真菌の一種)、細菌性腟症(腟内の菌バランスが崩れることによる病原菌の異常増殖)の3種類が代表的です。

腟炎の症状

腟炎の代表的な症状は、外陰部の痒みです。悪化すると、外陰部が赤く腫れて、痛みを伴うようになります。また、おりものが増えたり、その色や臭いに変化が現れたりもしてきます(黄色やチーズのようなおりもの)。臭いも通常よりも強くなりがちです。性交時や排尿時の痛み、頻尿などの症状が現れることもあります。

腟炎の治療

対症療法としては、陰部の痒みに対してはステロイド薬を塗布したり、その他炎症を起こしている原因ごとの治療をそれぞれ行います。陰部を清潔にし、乾燥を保つ、刺激の強い石けんを避けるなどのセルフケアも大切です。萎縮性腟炎については、エストロゲン製剤の投与などが行われます。

外陰炎

外陰炎とは、女性の外陰部(性器の外側部分)に炎症が起きた状態です。腟炎を合併していることも少なくありません。

外陰炎の原因

おりものや月経血、化学物質による刺激、下着によるかぶれや傷などによって起こるほか、淋菌やトリコモナスなどによる性感染症の影響で起きているケースもあります。外陰部の洗い過ぎも良くありません。

外陰炎の症状

外陰炎の症状は、外陰部の痒みや痛み、違和感などのほか、外陰部の赤みや腫れなどが見られます。また、外陰部の炎症が慢性化したり、繰り返し再発したりしていると、外陰部の皮膚が厚くなる、白っぽく変色するといった症状も認められることがあります。
なお、外陰炎の症状に加え、おりものが多い、おりものに血が混じる、腟内にも痒みがある、性交時に痛むといった症状を伴う場合には、腟炎を併発している可能性が大きいと言えます。

外陰炎の治療

治療は病原体に応じて抗生物質や抗真菌薬などによる治療をすると共に、痒みを抑えるためにはステロイド軟膏などの塗り薬を用います。多くは、数日間薬による治療を続けていれば症状は軽快してきますが、自己判断で中止すると炎症が再発する可能性がありますので、医師の指示通りに飲み続ける、もしくは塗り続けることが肝心です。日頃から外陰部を清潔に保つ、ナプキンやおりものシートはまめに交換する、などのセルフケアも忘れないようにしましょう。

不正出血

月経以外の出血がときどき、あるいはたびたび起こることを「不正出血」と言い、不正出血には二つの原因があります。

原因別の不正出血

ホルモン異常による出血

排卵していなかったり(無排卵性出血)、排卵するのに時間がかかってしまったりする(遅延排卵)場合など、排卵に異常があると、不正出血が起こる場合があります。こうした出血では、出血量が通常の月経より少なかったり、逆に多量の出血がぐずぐずと長い日数(10日以上)続いたりすることが多いものです。これを機能性子宮出血と言います。このような場合は、いったんホルモン剤で出血を速やかに止め、排卵を再開させる根本的な治療が必要です。

子宮や腟に原因がある場合の出血

子宮にポリープ、子宮筋腫、クラミジアによる炎症、子宮がんなどがあると、しばしば不正出血の原因となることがあります。これを器質性(臓器・組織の形態的な異状による)出血と言います。このような出血は、いつもの月経以外に不正出血が頻繁に起こります。止血には、出血の原因となっている疾患をきちんと治療する必要があります。

不正出血を繰り返すようなら受診

このように不正出血には2つの原因がありますが、これらの出血がそのどちらか、また治療した方が良いかどうかなどは、実際に診察させていただく必要があります。不正出血を繰り返すようなら、早めに受診していただくことをおすすめします。

子宮筋腫

子宮筋腫とは

子宮の筋肉にできる良性の腫瘍(こぶ)のことを子宮筋腫と言います。
子宮筋腫は良性ですから、それ自体が生命を脅かすようなものではありません。
こぶの大きさは、小指の先ほどの小さなものから、赤ちゃんの頭ほどもある巨大なものまで、千差万別です。いくつもが生じることも、少なくありません。

子宮筋腫の症状と治療

代表的な症状は月経困難症と月経痛、過多月経で、出血量が多いために貧血になる場合もありますが、場所によっては、まったく無症状な場合もあります。
子宮の外側にできる「漿膜下筋腫」は無症状の場合が多く、子宮の内側にできる「粘膜下筋腫」は小さいものでも過多月経になりやすい傾向があります。子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」も、過多月経や月経痛の原因になることがあります。
治療法には手術療法と薬物療法がありますが、発生した場所や症状によって、治療法はそれぞれ異なってきます。

子宮筋腫と出産

子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。小さな子宮筋腫があっても、ほとんどは経腟分娩が可能なのですが、筋腫の位置や大きさによっては経腟分娩が不可能なケースもあります。筋腫が産道を塞ぐような場合には、帝王切開が行われます。

卵巣腫瘍

卵巣腫瘍とは

卵巣にできる「しこり、はれ」を総称して卵巣腫瘍と呼びます。卵巣自体はとても小さな臓器ですが、ここには単純にお水が溜まったような「のう腫」から、悪性の「がん」に至るまで、いろいろな種類の腫瘍が発生します。そしてこれらは、あらゆる年齢の女性に発生する可能性を持ち、比率的には、全体の約80%はのう腫などの良性腫瘍で、残りの20%程度が悪性腫瘍で占められると考えられています。

卵巣がんの症状

小さいうちはほとんど無症状に経過します。したがって、この時期はまったく気づかれずに、たまたま受けた子宮がん検診で見出されることも少なくありません。大きさを増すとともに、下腹部の腫瘤(しこり)として自覚されるようになり、これが婦人科を受診する直接のきっかけになる方も多いようです。
腫瘍がさらに大きくなると、骨盤内のほかの臓器を圧迫して、下腹痛、腰痛、便秘、排尿トラブルなどを引き起こします。また、病変の進み具合によっては腹水が溜まり、同時に栄養の摂取不足を伴って、次第に体重減少や体力の消耗をきたすことも珍しくありません。

卵巣がんの診断

まずは、内診と超音波検査を行って内性器の様子を観察します。その結果、腫瘤の存在が認められたなら、良性・悪性を区別する目的で、CTやMRIなどの画像診断をはじめ、腫瘍マーカー検査(採血検査)を実施して、詳しく調べます。

性感染症(性病)

性感染症とは

性感染症(性病)とは、性的接触(性交やオーラルセックスなど)を介して感染していく疾患の総称であり、個々の疾患としてはいろいろなものが知られています。
以下に、代表的な性感染症についてご説明いたします。こうした病気が心配な方は、勇気を出して検査をお受けください。

代表的な性感染症

クラミジア感染症

病原体はクラミジアトラコマティスで、性行為における粘膜同士の接触によって感染します。潜伏期間は、1~3週間です。
【症状】男性では排尿時痛や尿道掻痒感が生じますが、女性では症状が軽く、無症状なことも少なくありません。
【診断】採血によるクラミジア抗体検査、性器や尿道からの分泌物や尿・口腔内からの抗原検出や核酸検査(PCR)で行います。
【治療】抗菌薬(マクロライド系、ニューキノロン系が中心)を使います。放置すると不妊、流産・早産の原因になることがあります。

梅毒

病原体は梅毒トレポネーマで、性行為による皮膚・粘膜病変部との接触により感染します。潜伏期間は、3週間程度です。
【症状】感染部位(性器、口など)に赤い色の硬いしこりやただれができ、近くのリンパ節が腫れます(第1期)。その後、3~12週間くらいの間に、発熱、全身倦怠感などの全身症状と共に皮膚に様々なタイプの発疹が現れ(第2期)、さらに10~30年の間に心臓や血管、脳が冒されます(第3・4期)。
【診断】病変部の病原体を顕微鏡で確認するか、血液による抗体検査で行います。
【治療】抗菌薬(主にペニシリン系)を使います。放置すると第1期から2期、3・4期へと、徐々に進行します。精神異常をきたしたり、死に至ったりすることもあるほか、母体の感染により、出生児が「先天梅毒」になることもあります。

淋病

病原体は淋菌で、性行為による粘膜接触で感染します。潜伏期間は2~7日です。
【症状】女性ではおりものや不正出血が見られるか、あるいは症状が軽く、気づかないことも少なくありません。
【診断】性器、尿道からの分泌物や口腔などからの病原体分離培養、または核酸検査(PCR)で行います。
【治療】抗菌薬を使いますが、一般に各種抗菌薬に対して耐性が強くなっている傾向が見られます。放置すると不妊の原因になることがあるほか、感染した母体から出産した新生児が「淋菌性結膜炎」になることもあります。

性器ヘルペス感染症

病原体はヘルペスウイルスで、性行為による皮膚・粘膜病変部との接触によって感染します。潜伏期間は2~10日です。
【症状】性器の痒み、不快感の後、水泡、びらんが生じます。
【診断】病変部からのウイルス分離、抗原検出や核酸検査(PCR)で行います。
【治療】抗ヘルペスウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)を使います。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、性器に発生する一種の「いぼ」です。病原体はヒトパピローマウイルス(多くは6型か11型。子宮頸がんを発症しやすいのは16型、18型)で、主に性行為による皮膚・粘膜病変部との接触で感染します。潜伏期間は3週間~8ヶ月(平均約3ヶ月)です。感染していながら症状が出ないことも多いようです。
【症状】腟入口部、大・小陰唇、会陰、肛門などに先のとがった鶏冠様の腫瘤が生じます。子宮の入口や腟壁にできることもあります。痛みはほとんど無く、せいぜい痒みや軽い異物感程度のものです。
【診断】コンジローマは独特な形態をしているため、病変部の観察により診断がつくことが多いとされます。子宮の入口にできたものについては、組織を採取して、病理組織学的に診断することもあります。
【治療】「ベセルナクリーム5%」という塗り薬の塗布をおこないます。(当院ではおこなっていませんが、液体窒素を用いた凍結療法、電気メスや炭酸ガスレーザーなどによる切除を行う治療法もあります。)塗り薬による治療では、週に3回、就寝時に塗り、翌朝洗い落とします。この方法では、治るまでに時間がかかりますが、自宅で治療を行えるメリットがあります。

ケジラミ症

病原体はケジラミです。性的接触による陰股部、陰毛との直接接触による感染が多いのですが、衣類・寝具などを介する間接的感染もあります。潜伏期間は不定ですが、1~2ヶ月が多いようです。
【症状】寄生部位(主に陰股部)の強い痒みです。
【診断】皮膚・陰部・毛髪などの虫体や虫卵の確認で行います。
【治療】剃毛するか、フェノトリン(スミスリン)パウダーまたはシャンプーを用いて治療します。

トリコモナス腟炎

トリコモナス腟炎とは、トリコモナス原虫という小さな虫の寄生によって起こる腟炎です。腟だけでなく、尿道、膀胱などにも感染が広がり、尿道炎や膀胱炎、外陰炎などを併発することもあります。主な感染経路は性交渉です。
【症状】局部の悪臭、膿性や泡沫状のおりもの、外陰部の痒み、ピリピリとした刺激感などがあり、感染後約3週間の潜伏期間を経て現れます。ただし、半数くらいは症状が見られません(無症候性)。
【診断】腟分泌物や尿沈査を直接顕微鏡で調べ(鏡検)、トリコモナス原虫が認められれば、診断が確定します。トリコモナス培地を用いて、培養を行うこともあります。
【治療】腟洗浄の後、メトロニダゾールの腟錠または内服、もしくは併用を行います。トリコモナスは性感染症ですから、パートナーも同じ時期に治療を行う必要があります(男性の場合は、内服薬のみによる治療となります)。

性感染症が疑われる症状

下記のような症状がある場合は、性感染症が疑われますので、早めにご相談ください。

  • おりものの量が増えた
  • 性器の痒みがある
  • 性器のにおいが気になる
  • 外陰部に痛みがある など

バルトリン腺嚢胞・膿瘍

バルトリン腺嚢胞・膿瘍とは

バルトリン腺は、小陰唇の内側下方、腟の入り口にある非常に小さな丸い腺で、性的に興奮した際に潤滑液を出し、性交を行いやすくします。
このバルトリン腺の開口部が塞がり、分泌物が溜まって腫れている状態をバルトリン腺嚢胞、感染を起こした状態をバルトリン腺炎と言い、さらに感染が悪化して膿が溜まった状態をバルトリン腺膿瘍と呼びます。嚢胞は女性の2%くらいに生じ、その多くは20代です。加齢に伴い、嚢胞や膿瘍は出来にくくなってきます。

バルトリン腺嚢胞・膿瘍の症状

バルトリン腺嚢胞の状態では、通常、痛みなどの症状は伴いません。しかし、感染して膿瘍を形成すると、局所的な痛みを感じ、また、赤く腫れて熱感を覚えるようになります。バルトリン腺膿瘍は大きくなると、鶏卵ほどにまで腫れ上がる場合もあります。
原因菌としては、ブドウ球菌、大腸菌、レンサ球菌などによるものが大多数を占めます。

バルトリン腺嚢胞・膿瘍の診断と治療

バルトリン腺部にしこりが見られることから、診断は容易につきます。多くは片側に発生し、多くの患者様は、バルトリン腺膿瘍の状態になって受診します。
治療も兼ねて注射針で内容液を穿刺吸引(針を刺して内容液をごく少量採取)し、細菌培養検査を行って、原因菌を特定します。
保存的治療(手術によらない治療)としては、検査結果で明らかになった細菌に効果的な抗生物質を投与しますが、多くは穿刺や切開をして、膿汁を排液する必要があります。
現実には、これでも再発することが少なくなく、再発を繰り返すバルトリン腺膿瘍については、病変部を切開し、外側の粘膜部分と内側の嚢腫部分を縫い合わせ、膿汁の排泄口をつくる手術が行われます。また、難治性のものには、嚢腫そのものをそっくり除去する手術(嚢腫摘出術)が行われることもあります。こういった手術が必要な場合には総合病院をご紹介させていただきます。

この疾患は再発が少なくない

バルトリン腺嚢胞・膿瘍は、外陰部の病気のなかでも最も多くみられる疾患で、治療後も、いったん消失した嚢胞・膿瘍が再発することも少なくありません。しつこく再発を繰り返すような場合には、嚢腫摘出術をしたほうが良いのですが、性交時に潤滑液の不足を招くデメリットが生じます。

子宮頸管ポリープ

子宮と腟を結ぶ子宮頸管の粘膜が増殖し、子宮口からはみ出して、腟の方に垂れ下がったようになるポリープです。原因は、まだはっきりわかっていません。米粒大~親指大くらいの小さなもので、痛みはありませんが、不正出血がよく見られます。がん化して悪性腫瘍になることは稀なので、自覚症状が無ければ放置しても問題ありません。しかし、妊娠を望む方には多くの場合、切除を勧めます。

子宮頸管ポリープ切除術

子宮頸管ポリープの治療としては、ポリープの根元から切る切除治療が基本です。切除した組織は病理検査を行い、悪性かどうかを調べます。子宮頸管ポリープは、ほとんどが良性です。しかし、繰り返し出来てしまうことがよくありますので、切除後も定期的に検査を受ける必要があります。

産婦人科手術(人工妊娠中絶)

当院には入院設備がございませんので、処置をしてその日に帰れる小手術について、お引き受けしています。具体的には、下記のような小手術を行っております。

  • 頸管ポリープ捻除術
  • 子宮脱ペッサリー挿入
  • 外陰膿瘍切開排膿術
  • 小子宮筋腫分娩*摘出術
  • 流産手術
  • 人工妊娠中絶 など

*筋腫分娩:子宮筋腫が子宮内から下降して腟から見えるような状態です。

人工妊娠中絶

人工妊娠中絶とは、何らかの理由によって妊娠が継続できない場合に、手術によって妊娠を中断する方法です。
妊娠週数の数え方は、最後の生理が始まった日を0日として、0~6日までを0週、7~13日までを1週というように数えます。生理不順や“偽”の生理によって「ずれ」が生じることも少なくないため、最終的には超音波検査をして判断します。
当院では、妊娠の継続を希望なさらない方について、そのご相談に応じさせていただきます。
※当院では、妊娠9~10 週まで人工妊娠中絶手術をお受けしております。
※合併症等があり、当院で対応することができない場合には、他の病院等をご紹介させていただくこともありますのでご了承ください。

子宮内膜症

子宮内膜症とは

本来、子宮内腔にしか存在しないはずの子宮内膜や子宮内膜様の組織が、何らかの原因で、子宮内膜以外の場所(卵巣、卵管、子宮周囲の腹膜、時には子宮から遠く離れた肺など)で増殖し、月経のたびに出血を繰り返す疾患です。血液が卵巣に溜まった疾患を「卵巣チョコレート嚢腫」、子宮筋層内に出来て子宮全体が腫れる疾患を「子宮腺筋症」と言います。

子宮筋腫などとの鑑別が必要

原因は不明ですが、月経時に剥がれ落ちた子宮内膜の一部が卵管を逆走し、卵巣や腹部臓器に到達して増殖するという説が有力視されています。子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮腺筋腫などは、鑑別を必要とする疾患の代表です。月経異常などが見られた際は、きちんと原因を特定してもらうことが大切です。

子宮内膜症の症状

代表的な症状は、ひどい月経痛で、年齢とともに強くなっていくのが特徴です。一方、自覚症状が無く、内膜症と気づかない人もいます。

子宮内膜症の治療

子宮内膜症の治療法には、手術療法と薬物療法があります。
どんな治療をするかは、妊娠の希望の有無など、本人がどのようなライフスタイルを選択するかによって異なってきますので、医師とよく相談して決めていきます。

更年期障害

更年期障害とは

女性は30代後半から女性ホルモン(エストロゲン)の量が徐々に減少してきます。そして大体50歳前後(日本人女性の平均は50.5歳)で閉経を迎えますが、閉経を挟んだ45~55歳頃までの約10年間を一般に更年期と呼びます(※個人差があります)。
更年期には、女性ホルモンの分泌量が急激に減少してくるため、体がその変化に対応し切れずに、様々な不調を招きがちです。
この不調症状には個人差が大きく、その程度が非常に強い方から全く感じないほど弱い方までいろいろですが、日常生活に差し支えるような症状が現れた場合を一般に更年期障害と呼んでいます。

更年期障害の症状

更年期障害では、よく月経異常やほてり、発汗、のぼせ、手足の冷え、肩こり、尿漏れ、疲れやすい、イライラ、うつ、だるさ、不安、不眠など、心身にわたる多様な症状が引き起こされます。また、肌や髪のつやが無くなったり、性器の萎縮が起こってきたりもします。分泌液も少なくなり、性交痛を覚える方もおられます。そのためパートナーとの性交渉がうまくいかなくなる場合もしばしば見受けられます。うつなどの精神症状を訴える方も、少なくありません。また、この更年期うつに隠れて、あるいはそれが呼び水となって、本格的なうつ病が発症することもあります。

別の病気が隠れていることも

一方、更年期には多種多様な不調が現れるため、別の病気が隠れていても、更年期のせいに違いないと思い込み、本当の疾患を見逃してしまうこともあります。糖尿病、高血圧、心疾患、貧血、甲状腺疾患、悪性腫瘍、うつ病などが潜んでいる可能性もありますので、とにかく早めに専門医にご相談なさるよう、お勧めいたします。
ほんの少しでも「体調が悪い」と思われたら、躊躇すること無くご相談ください。

更年期障害の検査・治療

現れている諸症状、および血中の女性ホルモン量を調べる検査で診断を行います。
また、更年期障害の治療では、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を投与するホルモン補充療法(HRT)が一般的な治療法ですが、ホルモン療法以外にも、うつや不安などの精神症状がみられる方には、抗うつ薬や抗不安薬を処方したりもします。また、カウンセリングや漢方療法を併用するケースもあります。
なお、ホルモン補充療法は認知症やアルツハイマー病、骨粗しょう症などの予防にもつながります。

更年期障害の漢方療法

更年期とは女性の一生のうち、成熟期から老年期へと移行する一時期のことで、卵巣機能が低下し始め、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少してきます。
この時期には不定愁訴が少なからずみられますが、不定愁訴は漢方がもっとも得意とする症状であり、したがって更年期障害は漢方の使われる頻度が高い疾患の一つです。
更年期障害の治療にあたっては、女性ホルモンのバランスを整える作用のある、下記のような漢方薬がよく処方されます。

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

*以上の3つの薬は“三大漢方婦人薬”と呼ばれます。

更年期のこんな症状にこの漢方

「当帰芍薬散」は、冷えや貧血症状、めまい、頭重感の強い方に、「加味逍遙散」はイライラ、不眠などの精神症状や肩こりが強い方に処方されます。また、重い肩こりや多汗(汗が異常に出てしまう)などの症状が目立つようなら「桂枝茯苓丸」が有効です。
うつ気分、神経過敏、めまいなどの精神症状には、ホルモン補充療法よりも、むしろ漢方薬のほうが効果的なこともあります。

プレ更年期にも使われる漢方

また、ホルモン補充療法が使えなかったり(卵巣機能が働いている「プレ更年期*」世代の場合など)、多様な症状を併せもっていたりする場合(漢方薬は複数の症状に対して効果が現れます)に、漢方を処方するケースがあります。

*プレ更年期

プレ更年期とは、更年期の少し前(30代後半~40代半ば)の時期に、更年期と同様の症状が起こるケースです。卵巣機能の低下よりも、むしろストレスによる自律神経バランスの乱れが大きく関与していると言われます。

妊娠検査

妊娠検査のタイミング

妊娠検査のタイミングは、月経が毎月規則正しく来ている方の場合では、1週間~2週間以上遅れた場合が受診時期の目安になります。
ただし、妊娠のあまり早い段階(3週~4週頃)では、専門医による内診や検査を行ったにしても、正確な検査結果が出ない場合もあります。
また、市販の検査薬による結果は過信せず、あくまでも参考程度に留めてください。
たとえ市販の検査薬で妊娠がわかった場合も、正常でない妊娠(異所性妊娠=子宮の中でない場所への妊娠など)の可能性がありますので、正常妊娠かどうかを確認するためにも、必ず専門医による診察を受けましょう。
※妊娠検査は基本的に「自費診療」となります。超音波・採尿検査をおこないますが、状態によっては採血検査もおこなう場合があります。

妊婦健診

(※当院では妊娠検査、妊婦健診を取り扱わせていただいており、分娩取り扱いはおこなっておりません。)

妊婦健診とは

妊婦健診は、お母さんの健康状態やおなかの赤ちゃんの育ち具合をみるための健診で、身体測定や血液・血圧・尿などの検査を行います。
妊娠中は体にいろいろな変化が起こりますし、自覚症状が無く、一見順調に見えても、トラブルが隠れている可能性があります。特に気がかりなことが無くても、妊婦健診は定期的に必ず受けるようにしましょう。

こんな症状には要注意

健診日以外でも出血や腹痛など「何かおかしい」と感じた時は、遠慮せずに受診しましょう。特に下記のような症状が出たら、早めにご相談ください。

  • むくみ
  • 性器出血
  • 腹痛
  • 発熱
  • 下痢
  • めまい
  • 吐きけ、嘔吐
  • 強い不安感
  • 頑固な便秘
  • いつもと違うおりもの
  • 強い頭痛
  • つわりによる衰弱
  • 激しい動悸
  • 今まであった胎動を感じなくなった など

妊婦健診で行われる検査

※病院・医院によっては検査内容・検査時期が変わることもあります。

基本的な項目
健康状態の把握

妊娠週数に応じた問診・診察等を行います。

検査計測

妊婦さんの健康状態と赤ちゃんの発育状態を確認する基本検査を行います(子宮底長、腹囲、血圧、浮腫(むくみ)、尿検査(糖・蛋白)、体重(1回目は身長も)等

保健指導

妊娠期間を健やかにお過ごしいただくための食事や生活に関するアドバイスを行うと共に、妊婦さんのメンタル面に留意し、妊娠・出産・育児に対する不安や悩みの相談に応じます。また、家庭的・経済的問題など個別支援を要する方には適切な保健・福祉サービスが受けられるように、市区町村の保健師等と協力して対応いたします。

必要に応じて行う医学的検査
妊娠初期~23週
  • 血液検査【初期に1回】
    血液型(ABO血液型・Rh血液型・不規則抗体)、血算(白血球、赤血球、血小板の数・大きさ・容積・形態など)、血糖、B型・C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体、HTLV-1抗体、性器クラミジア、淋菌など
  • 子宮頸がん検診(細胞診)【初期に1回】
  • 超音波検査

尚、当院では妊娠初期(妊娠10週くらいまで)の妊婦健診を実施しております。以後総合病院(群馬大学、前橋赤十字病院、群馬中央病院)などでの健診を希望される患者様は当院で初診予約をとらせていただきます。個人のクリニックでの出産をご希望される場合は、ご自身でご予約を入れていただきます。

切迫流産

一般的に全妊娠における流産率は、平均10-15%といわれています。また年齢の上昇ともに流産率は上昇することが知られています。
流産の前段階で流産しかかった状態を切迫流産と呼んでいます。症状は性器出血が最も多く、治療は安静、状態に応じて投薬、注射などですが、治療が無効な場合もあります。
一般的には産婦人科で診察を受け、超音波等で子宮内の状態を把握し、胎児の生存や成長を確認しながら治療することが必要です。運悪く子宮内胎児死亡等、流産が確定した場合には、妊娠週数に応じて方針を決定します。流産手術が必要な場合もあります。

避妊

当院では、避妊のためのピル処方をいたしておりますので、お気軽にご相談ください。

低用量ピル(OC)

低用量ピル(OC:Oral Contraceptives)を正しく服用すれば、その避妊効果はほぼ100%で、しかもとても安全です。以前、低用量ピルの服用により、乳がんが増える可能性が議論されていましたが、現在は否定されています。
これに加えて、卵巣がんや子宮体がん、大腸がんのリスクを減少させる作用が知られていますし、月経困難症、過多月経、子宮内膜症、不規則な月経周期などに対する治療効果も認められています。また、将来の妊娠に悪影響を及ぼすこともありません。さらに、よく耳にする体重増加に関する懸念も不要です。
ただ、まったく副作用が無いわけではありませんが(一番懸念されるのは血栓症*リスク)、当院では服用禁忌(服用してはいけない条件)に触れないかどうかをよく考慮しながら、慎重に処方しておりますので、ご安心ください。
 *血栓症:血管内に生じた血液のかたまり(血栓)が突然、血管に詰まる疾患です。当院で処方させて頂くにあたり、問診・体重測定・血圧測定・血液検査(肝機能検査・脂質検査・凝固検査)・尿検査(腎機能検査)・内診・頚膣超音波検査等を実施しています。

緊急避妊ピル

緊急避妊ピル(アフターピル)

避妊をしないでセックスしてしまったとか、コンドームが破けるなど避妊の失敗が起こったような場合に、妊娠を防止する方法に“緊急避妊”があります。
その最も一般的な方法が、「アフターピル(緊急避妊薬)」と呼ばれる避妊薬の服用です。
どうして緊急に避妊ができるのかについてですが、患者様の月経周期のどの時期に、アフターピルが服用されたかによって、作用の仕方は異なってきます。例えば「排卵を抑制する」「受精を妨げる」「着床を妨げる」などの効果があるとされています。
妊娠の成立とは、受精卵が子宮内膜に着床することを言うのですから、いったん着床してしまい、妊娠が成立してからでは、アフターピルは無効になります。
そのためアフターピルは、無防備なセックスが行われた72時間以内(3日以内)に服用しなければならないのです。

アフターピルの効果

アフターピルが妊娠を防止するとは言っても、100%というわけにはいきません。
正しく服用した場合でも、妊娠を防止できないケースがあると言われています。
仮に、アフターピルが頻繁に使用されたとしても、低用量ピルを避妊目的で継続的に使用している女性に比べれば、妊娠率はかなり高くなってしまいます。
したがって、この方法は低用量ピルの代用とはなり得ないとご理解ください。
また、アフターピルが本当に効いたかどうかは、服用後すぐにはわかりません。数日ないし数週間後に月経が来て、初めてわかるわけです。服用後、月経が来るまでは性交渉を避けて下さい。
もし、予定月経が1週間以上遅れたり、心配なことが出てきたりしましたら、早めにご相談ください。

アフターピルの安全性

アフターピルの安全性についてですが、世界的には、1970年代半ばから使用されて来ており、半世紀近い歴史があって、その安全性は確立されています。
ただし、低用量ピルと同様に、アフターピルについてもやはり服用してはいけない人や、慎重な使用を要する人がいますので、少しでも不安な方は遠慮無くお尋ねください。
なお、アフターピルを服用しても効果が無く、妊娠してしまった場合についてですが、今まで知られている限りでは、異常妊娠であったり、赤ちゃんに異常が出たりといった報告はみられません。

当院では緊急避妊用ピルは2種類あります。

プラノバール錠(中等量ピル)を服用する方法

無防備な性行為が行われた後、72時間以内にプラノバール錠を2錠内服して、その12時間後にもう1度2錠内服します。
個人差もありますが、副作用として嘔気・嘔吐が報告されています。

ノルレボ錠(黄体ホルモン剤)を使用する方法

同様に性行為後、72時間以内にノルレボ錠を1錠内服します。
嘔気・嘔吐の副作用はプラノバール錠に比べ少ないことが報告されています。

生理日の調整

何らかの特別な予定が入り、生理日を何日か移動させたい方は、早めにご相談ください。
日常生活を快適に過ごすために、どうしても生理を避けたい場合というのがあります。
例えば、旅行、スポーツ、結婚式などの際に生理が重なってしまうと、とても煩わしいものです。
そんな時はピルを飲むことで、生理日を調整する(移動する)ことが可能です。
生理を1週間ほど遅らせることは、それほど難しくはありません。また、逆に生理を早めることも可能です。

生理を遅らせる方法

生理が来そうな日のおよそ3日前からピルを飲み始め、生理を避けたい日まで1日1錠を服用します。ピルを飲んでいる間は生理が来ません。そして、飲み終えてから2~3日で生理が来ます。なお、生理日を変えた場合でも、その後の生理周期まで狂ってしまうようなことはありません。

生理を早める方法

生理が始まってから5日目までの間に、ピルを服用し始めます。基本的には1日1錠を2週間程度服用します。飲み終えてから2~3日で、いつもより少ない量の生理が来ます。
この方法では生理を避けたい日にはピルを飲まなくてよいのですが、早めに飲み始める必要があります。ずらしたい生理の一つ前の生理で調整します。

*患者さんの月経周期や移動をご希望される生理日によって、処方内容が変わりますので、詳しくは外来にてご相談ください。

貧血

貧血とは

赤血球の中の赤い組織であるヘモグロビンは、肺で取り込んだ酸素を全身の細胞に供給する大切な役目を担っています。このヘモグロビンが少なくなってしまい、全身に十分な酸素を供給できなくなってしまった状態を貧血と言います。

貧血の原因

貧血を招く疾患には様々なものがあります。けがや病気のために血管が破れて出血すると、血液が失われるため、貧血を起こします(出血性貧血)。ヘモグロビンをつくるための材料である鉄やビタミンなどの欠乏から起こることもあります(鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血)。赤血球は骨髄でつくられ、約120日間の寿命がありますが、その途中で壊れて溶けてしまうことがあります。これにより赤血球の生成が追いつかなくなると貧血を起こします(溶血性貧血)。この他にも、いくつかの型の貧血が知られています。
婦人科でも子宮筋腫による過多月経やホルモンのアンバランスによる過長月経などが貧血の原因となることがあります。

貧血の症状

貧血の主な症状には、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、疲れやすいなどがあります。
診断は主に血液検査によって行いますが、ケースによっては原因を詳しく調べる必要が生じてきます。

貧血の治療法

治療法は原因を取り除くことですので、原因によってそれぞれ異なってきます。

予防接種

当院の予防接種

当院では、主に大人向けにインフルエンザワクチンの接種を、行っております。
(※子宮頸がんワクチンの予防接種は、現在見合わせております。)

予防接種の目的

予防接種は、細菌やウイルスなどの病原体からつくったワクチン(抗原物質)を接種することによって免疫をつけ、特定の病気になりにくくし、また、たとえその病気になったとしても軽く済むように行われます。ほかに、感染症の流行を阻止する(集団免疫)という目的もあります。予防接種は「自分のため、そして周りのみんなのため」に受けるのです。

ワクチンの効果

ワクチンは、感染症の原因となる各種の細菌やウイルスの病原性を弱めたり、また、それらを無毒化したりしてつくられます。これを注入することによって、体内に抗体(病原体と結合し、それを体内から除去するように働くたんぱく分子)をつくらせ、当該感染症に罹りにくくし、また重症化を防ぎます。

当院で行っている予防接種

インフルエンザワクチン

インフルエンザの感染予防には、「咳エチケット」「手洗いの励行」「適度な湿度の保持」「十分な休養」「バランスのとれた栄養摂取」がポイントです。そしてもう一つ、インフルエンザを予防する有効な手段に、流行前のワクチン接種があります。
インフルエンザウイルスは毎年少しずつ性質を変え、異なるタイプが流行するので、それに対抗するために、予防接種も年ごとに行う必要があります。
インフルエンザワクチンは、接種してから効果が出るまでに約2週間かかり、その効果は約5ヶ月間持続します。日本では、インフルエンザが例年12月~翌3月頃に流行することを考えると、毎年12月中旬頃までに接種するのが望ましいでしょう。

膀胱炎

膀胱炎について

膀胱の中に細菌が侵入増殖し、膀胱内が炎症によりただれた状態になる感染症です。頻尿・残尿感・排尿痛が三大兆候です。炎症がひどいと血尿になることもあります。
一般には抗生物質の投与で比較的短時間で治すことができますが、放置したりして重症化すると、感染が腎臓に達し腎盂腎炎という状態になり、入院治療が必要になることもあります。

漢方薬

漢方は不調対策も得意

また、人の体は健康と病気の二つの状態にはっきりと分かれるのではなく、体調がすっきりしないのに医療機関で検査しても「異常無し」と言われるような、白でも黒でもない灰色の状態があります。これを東洋医学では「未病」と呼び、はっきりした病気ではないのですが、病気が本格化し、症状が顕在化する前の状態と考え、放置すれば病気になる可能性があると考えます。
体質を改善したり、体の治癒力を高めたりして病気が悪くなる前に治していくのが、漢方の基本的な考え方です。西洋医学では病気と見なされないような不調対策も、漢方は得意とするところなのです。
当院では症状によって漢方薬による治療も行っております。
月経異常、更年期障害、肥満、アレルギー性鼻炎など漢方薬を試してみたい方は、お気軽にご相談下さい。