群馬県前橋市東片貝町875

027-221-1000

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1)着床前遺伝学的検査(PGT-A/SR)とは

着床前遺伝学的検査(PGT)は、体外受精によってできた受精卵の染色体を調べ、より妊娠しやすく流産しにくいと予想される受精卵を選ぶ検査です。

当院では

  • 着床前胚染色体異数性検査(PGT-A):染色体数の異常を調べる
  • 着床前胚染色体構造異常検査(PGT-SR):染色体構造の異常を調べる

の2つの検査が出来ます。

2)PGT-A/SRのメリット・デメリット

メリット

  • 移植1回あたりの妊娠率が上昇する可能性がある。※1)
  • 流産率が下がる可能性がある。※1)
  • 妊娠までの時間を短縮する可能性がある。

デメリット

  • 検査で胚へのダメージが起こる可能性がある。
  • 診断精度が100%ではない。
  • 検査した細胞の中に染色体数の異常があるものと無いものが混ざっている(モザイク胚)場合には移植するか判断が難しい。
  • 検査できる胚盤胞まで発育しないと検査が出来ない。
  • 保険診療が適用されないため、採卵・PGT・移植と、すべての治療が自費診療となる。

※1)2019~2022年に行われた日本産科婦人科学会によるPGT-A/SR特別臨床研究では、胚移植6080件において臨床妊娠率 68.8%、継続妊娠率 56.3%、流産率 10.4%(下図)であり、妊娠率や流産率が母体年齢によらず比較的一定であり、PGT-A/SR は 胚移植あたりの妊娠率の改善 や 流産率の低下 に寄与する可能性が示されています。

移植あたりの妊娠率

3)PGT-A/SRの対象となる方

①PGT-Aの対象となるのは1), 2), 3)のいずれかに該当するご夫婦になります。

  • 反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症のご夫婦。
  • 反復する流死産の既往を有する不育症のご夫婦。
  • 女性が高年齢の不妊症のご夫婦。
    現時点(2025年9月時点)では、女性年齢は35歳以上が目安。

<2025年9月8日 日本産科婦人科学会『不妊症および不育症を対象とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)に関する細則』より>

②PGT-SRの対象となるのは、

  • ご夫婦いずれかに染色体構造異常(染色体相互転座やロバートソン型転座、染色体腕間逆位など)がある方。
  • 構造異常があるご夫婦の場合、妊娠既往や流死産既往の有無は関係ありません。

4)PGT-A/SRの方法

①生検

  • 採卵・胚培養した後、採卵後5~6日目まで培養した胚盤胞細胞の一部(栄養外胚葉:TE)を生検して解析します。胚盤胞は一旦凍結保存します。
生検

②解析

  • 生検した細胞を検査機関に郵送して解析します。

③結果説明

  • 検査判定を以下A~Dの4つに分類し、外来にて結果説明いたします。
  • Aは移植に適しており、C・Dは移植不適、Bはその内容によって移植するかカウンセリングの結果により決定します。
判定内容
A正数性の胚
<染色体の本数に変化がないと推測される胚>
Bモザイク胚(あるいは一部アーチファクトの可能性がある胚)
<染色体の本数に変化がない細胞と変化がある細胞が混ざった胚>
C異数性の胚
<染色体の本数に変化がある胚>
D判定不能の胚
<何らかの原因で解析ができなかった胚>
判定A:染色体の数に異常がない
判定A:染色体の数に異常がない
判定B:8番染色体に変化がない細胞と変化がある細胞が混在している=モザイク胚
判定B:8番染色体に変化がない細胞と、変化がある細胞が混在している
判定C:15番染色体が1本多い=15トリソミー
判定C:15番染色体が1本多い

④胚移植に関する遺伝カウンセリング

  • B判定胚の移植を検討する場合には、当院外来にて結果説明のカウンセリングを受けていただいた後、遺伝専門医による遠隔遺伝カウンセリングを受けていただきます。

5)検査の注意点

  • 栄養外胚葉(TE)の細胞が乏しい場合など検査ができない場合があります。
  • 採取した細胞の状態によっては検査結果が出ない場合がありますが、この場合にも検査費用は必要となります。
  • 検査できない胚盤胞=異常があるということではありませんが、この場合凍結をご希望されるか事前にご確認させていただきます。
  • PGT-Aの正診率は下図のように、生検した細胞(TE)と実際胎児となる細胞(ICM)の染色体検査の結果が一致している(Type1~3)割合から約90%とされます。
  • モザイク胚(検査した胚の細胞の中に染色体数に異常があるものと無いものが混ざっている状態:Type3)の移植に関しては、どの染色体にどの程度異常な細胞があるのかなどを考慮して行われます。
  • 性染色体(性別)については、染色体に数的異常があった場合を除き、原則お伝えできません。

PGT-A検査のながれ

外来受診 PGT-Aに関する資料のお渡し

  • PGT-Aに関する資料をお渡しします。
  • 日本産科婦人科学会動画視聴を依頼いたします。

ご夫婦揃ってのカウンセリング

  • 日時指定させていただいた予約日にご来院ください。
  • PGT-Aに関する必要書類をお渡しします。

ご夫婦での同意が得られた後採卵

  • 別紙基準を満たした胚についてPGT-Aを施行させていただきます。
  • 事前に動画視聴確認シート、PGT-A・同意書を提出していただきます。

PGT-A結果説明カウンセリング(ご夫婦で)

  • 日時指定させていただいた予約日にご来院ください。
  • 結果により後日臨床指、導専門医による遠隔遺伝カウンセリングをお勧めする、またはご希望でカウンセリングを受けていただく場合があります。

6)PGT-A/SR費用

項目費用
検査費用 1胚あたり70,000円(税別)
遠隔遺伝カウンセリング (初回)11,100円
※1時間半を超える場合、30分毎に3,300円追加

(2回目以降)1回あたり5,500円
※1時間を超える場合、30分毎に3,300円追加